ヨガのポーズ 牛の顔のポーズ(Gomukhasana) では、片手を上から、もう片手を下から背中に回して手をつなぎます。
多くの人が経験するのが、

右手が下のときだけ、全然届かない…
という現象。
この記事ではその理由を、
肩関節の構造・筋肉の働き・利き手のクセ
という3つの視点から解説し、改善のためのストレッチも紹介します。
肩関節はなぜ左右差が生じやすいの?
牛の顔のポーズでは、他のヨガのポーズよりも左右差を感じやすいと思います。
これはなぜでしょうか?
肩は球関節で“可動域が広い=差が生まれやすい”
まず肩関節(肩甲上腕関節)は 人体でもっとも可動域が広い関節。
そのため日常のわずかなクセの違いが、そのまま左右差になります。
差が生まれやすい理由
- 日常の使い方の違い
- 姿勢のクセ
- スマホやPCの習慣
- スポーツ歴
これらが積み重なって、左右で「動きの質」が変わります。
「はまり込みが浅い」ため筋肉の影響が大きい
肩は股関節に比べて骨のはまりが浅く、
筋肉と肩甲骨の動きが安定性を担う関節です。
肩の動きに関わる筋肉を紹介していきますね。
ローテーターカフ
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋(けんこうかきん)の4つをまとめて「ローテーターカフ」と呼びます。
これらはすべて肩甲骨から始まり、上腕骨の近くに付着し、
- 肩関節の安定化
- 内旋・外旋など腕の回旋運動のサポート
を行います。
肩の“土台づくり”の中心となる筋肉です。

大胸筋・広背筋
肩の小さな筋肉だけでなく、胸や背中の大きな筋肉も肩の可動域に大きな影響を与えます。
● 大胸筋(身体の前側)
硬くなると肩を前方・内側へ引っ張り、腕を外旋させる動きを妨げます。

● 広背筋(身体の後ろ側)
硬いと肩を下方・内側へ引き、腕を背中側に回す可動域を狭くします。

このように肩を動かすのには、たくさんの筋肉が関わっています。
結果として…
わずかな筋バランスの乱れが、動きの差として顕著に現れるのが肩関節
となります。
肩甲骨の位置のズレがすぐ動きに影響する
肩甲骨は腕の土台。
わずかに位置がズレるだけで、
- 内旋・外旋の可動域
- 腕を背中側へ回す動き
- 姿勢の保ちやすさ
に影響し、左右差が大きくなります。
「右手が下だと届きにくい」理由
利き手(右手)側は“内旋筋”が固まりやすい
右利きの多くは、
- スマホ操作
- マウス
- 書き仕事
- 料理
などで右肩が前に入り、内旋(腕が内側に回ること)が日常的に増えます。
特に硬くなりやすいのが先ほども紹介した、
- 肩甲下筋(ローテーターカフ/内旋の主力)
- 大胸筋(胸の前/内旋+水平内転)
- 広背筋(背中/内旋+伸展)
牛の顔のポーズにおいて、下側の腕には、内旋+伸展(腕を後ろへ回す動き)が必要になります。
しかし、内旋筋が硬いと肩が前方にロックされる(前に巻き込まれて固定される)ため、
後ろへ引くための伸展の可動域が出なくなります。

肩甲骨の動きが不利なポジションになりやすい
下から入る腕は、肩甲骨の
- 内転(背骨方向へ寄せる)
- 下制(下げる)
がスムーズである必要があります。

右利きの肩は、使い方の偏りで
- 外転(外へ開く)
- やや上がる
- 前に倒れる
という傾向があり、下腕の動きに不利になります。
手がつなぎやすくなるストレッチ&トレーニング
では、右手が下でも繋ぎやすくするための、ストレッチとトレーニングをご紹介します!
タオル・ベルトストレッチ
- タオルを縦に持つ
- 上の手と下の手の距離を無理なく調整
- 20〜30秒、左右交互にキープ
・大胸筋
・広背筋
・肩後面
がバランスよく伸びる。
大胸筋ストレッチ(ドアフレーム)
- ドアに右肘を90°で当てる
- 肩をすくめず、体を前にひねる
- 20〜30秒
胸の硬さが取れると、右肩の外旋が改善します。
猫・牛(Cat & Cow)
背骨・肩甲骨周りをゆるめ、肩の可動性を上げます。
肩甲骨 内転&下制トレーニング
- 四つんばいで肩を耳から離す(下制)
- 肩甲骨を背骨に寄せる(内転)
→ 10回繰り返す
下の腕の動きが安定します。
まとめ
肩関節は大きく動く反面、筋肉の使い方や姿勢のクセによって左右差が出やすい関節です。
特に右利きの場合、日常的に右肩が内側へ入りやすく、外旋や後ろへ回す動き(伸展)が制限されやすくなります。
牛の顔のポーズでは、下の腕に 内旋+伸展 という複雑な動きが必要になるため、
大胸筋・広背筋・肩甲下筋の硬さ や、肩甲骨の位置のクセ があると手が届きにくくなります。
ただし、タオルを使ったストレッチや、胸周りと肩甲骨をほぐすエクササイズを続けていけば、
少しずつ可動域が改善し、右手が下でも自然と手がつなぎやすくなります。
焦らず、自分の身体の変化を楽しみながら続けてみてくださいね!



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