学生の頃から、ずっとバイリンガルに憧れていました。
将来もし子どもを授かることができたら、「バイリンガルに育てられたら素敵だな」と、ぼんやり思っていました。
ただ、いざ子どもができてからだと、毎日の生活に追われて、ゆっくり学ぶ時間を取るのはきっと難しいですよね。
だからこそ今のうちに、と思い、「バイリンガル教育の方法」について書かれた本を読んでみることにしました。
とても学びが多く、「これは同じように悩んでいる方にも役立つかもしれない」と感じたので、
このブログで内容をシェアしていきたいと思います。
今回読んだのはこちらの本です。
本書では、子どもの言語習得に関する研究や、バイリンガル教育を行ううえでの注意点などが、わかりやすく紹介されていました。
「子どもをバイリンガルに育てる」と一言で言っても、
家庭環境・言語に触れる量・関わり方など、さまざまな要素が複雑に絡み合っていることがわかり、
正直なところ、思っていたよりもずっと単純ではないと感じました。
それでも、この本を通して
「じゃあ何が大切なのか」「どんな視点を持てばいいのか」が少しずつ見えてきた気がします。
そこで今回は、私なりに感じた“バイリンガルを育てるために大切だと思ったポイント”をまとめてみました。
これからバイリンガル教育に興味のある方や、同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
まずは「母語」をしっかり育てることが最優先
バイリンガルの基礎づくりで、一番大切なのは母語をしっかり育てることだと、本書では繰り返し強調されていました。
母語が大切な理由は、単に「言葉が話せるようになる」ためだけではありません。
母語は、子どもにとって次のような重要な役割を果たすそうです。
- 母語を使って周囲の人と関わり、社会性を発達させる
- 自分の感情を言葉で伝えることで、情緒を安定させる
- 考えるための道具として使われ、思考力や知能の発達につながる
こうした理由から、母語は「次の言語を学ぶための土台」であるだけでなく、
心や思考を育てる基盤そのものだということがわかりました。
また、母語を育てるうえで大きな役割を果たすのが家庭環境です。
日常生活の中でどれだけ言葉に触れ、やりとりを重ねられるかが、母語の発達に大きく影響します。
一方で、母語が十分に育たないまま第二言語の習得を急いでしまうと、どちらの言語も中途半端になってしまう「ダブル・リミテッド」の状態になる可能性があるとも紹介されていました。
「早く英語を身につけさせたい」という気持ちがあっても、まずは母語を丁寧に育てることが、結果的にバイリンガルへの近道になるのだと感じました。
言語形成期を知り、年齢に合った関わり方をする
本書では、言語形成期はおおよそ5〜15歳とされており、4歳以前は「言語形成期以前」、15歳以降は「言語形成期以後」と呼ばれています。
さらに、言語形成期は次のように細かく分類されています。
言語形成期前半 (1) 0-2歳 「ゆりかご時代」
完全改訂版 バイリンガル教育の方法 中島和子・著
(2) 2-4歳「子ども部屋時代」
(3) 4-6歳「遊び友達時代」
(4) 6-9歳「学校友達時代前半」
言語形成期後半 (5) 9-15歳「学校友達時代後半」
どの時期においても、最優先すべきなのは「母語をしっかり育てること」だと強調されていました。
特に重要なのが、0〜2歳の「ゆりかご時代」。
この時期は、本物の母語話者の自然な言葉にたくさん触れることがとても大切だそうです。
抑揚やリズム、感情のこもった声かけが、母語の基礎を形づくっていきます。
2〜4歳の「子ども部屋時代」から第二言語に触れさせること自体は可能ですが、
それでも常に意識したいのは、母語の発達が脅かされない範囲で行うこと。
「早くから英語に触れさせた方がいい」という考えだけで進めてしまうのではなく、
年齢や発達段階に合わせて、母語とのバランスを大切にすることが重要なのだと感じました。
読み聞かせはバイリンガル教育の土台になる
読み聞かせは、子どもの言語発達に欠かせない習慣であり、バイリンガルを育てたいと考える場合には、なおさら大切な役割を果たします。
母語での「聞く・話す・読む・書く」力がしっかり身についていれば、それが第2言語・第3言語を学ぶための土台になります。
まずは母語の力を丁寧に育てることが、結果的にバイリンガルへの近道になるのだと、本書を通して知りました。
本書では、毎日15〜30分程度、母語で読み聞かせを行うことがすすめられています。
時間や気持ちに余裕がある場合は、第2言語での読み聞かせを取り入れるのも良いそうです。
特に大切なのが、4〜6歳頃の「遊び友達時代」。
この時期に読み聞かせの習慣があると、
「読んでもらう」から「自分で読んでみたい」へと自然に気持ちが移行し、
本を読むことそのものを楽しめるようになると紹介されていました。
私自身、ボランティアで小学校へ読み聞かせに行っています。
ただ、これまで読み聞かせが言語の発達にここまで大きく関わっているとは知らなかったので、とても驚きました。
でも振り返ってみると、私自身も「本を読んでもらう」という体験を通して、「自分でも読んでみたい!」と思うようになり、
そこから自然と漢字を覚えていった記憶があります。
読み聞かせは、単に本を楽しむ時間というだけでなく、言葉への興味や学びのきっかけを育ててくれる大切な時間なのだと、改めて感じました。
「1人1言語の原則」を知っておく
本書の中で、個人的に一番面白いと感じた考え方が「1人1言語の原則」でした。
例えば、母親と父親の第一言語が異なり、お互いに相手の言語も話せる場合。
「子どもには、どちらの言語で話しかけたらいいんだろう?」と迷いますよね。
このような場合、本書ではそれぞれの大人が“自信を持って話せる言語”で子どもに話しかける方が良い、と紹介されていました。
理由は、大人が二つの言語を混ぜて使ってしまうと、子どもが混乱してしまう可能性があるからだそうです。
つまり、
- お母さんは日本語
- お父さんは英語
というように、「人」と「言語」をセットで認識できる環境が、子どもにとってはわかりやすい、という考え方です。
ただし、本書では同時に、「1人1言語の原則」が必ずしもすべての家庭に当てはまるわけではないという点にも触れられていました。
場合によっては、
- 子どもに心理的な負担がかかる可能性があること
- 家庭環境や親子関係、生活スタイルによって最適な形は変わること
も指摘されています。
そのため、原則に縛られすぎず、子どもの様子を見ながら柔軟に対応することが大切という姿勢が、とても印象的でした。
まとめ|バイリンガル教育は「焦らず、土台づくりから」
本書を読んで、バイリンガル教育は思っていた以上に複雑なものだと感じました。
特に大切だと強調されていたのが、次の3つです。
- まず母語をしっかり育てること
- 年齢や発達段階に合った関わり方をすること
- 読み聞かせや日常の会話を大切にすること
これらは、「バイリンガルに育てたい!」という思いが強いほど、
つい後回しにされてしまいがちなのではないでしょうか。
(実際、私自身も母語の大切さをあまり理解できていませんでした。)
一般的に「若ければ若いほど言語の習得は早い」と言われますが、
本書を通して、バイリンガル教育に近道はなく、焦らず長期的な視点で向き合うことが大切なのだと感じました。
本書では他にも大切なポイントがたくさん書かれているので、バイリンガル教育に興味ある方は、ぜひ手に取ってみてくださいね!


コメント